9月 フィリピン現地調査 †
期間:9/4-9/17
参加メンバー:
灘岡、渡邉、吉開、大塚、岡本(灘岡研)
中村、相澤(中村研)
BlueCARESで初の本格的な現地調査をフィリピンで実施しました。9月の調査では前半パナイ島のマングローブ再生林および周辺生態系を対象にした調査を実施し、後半ブスアンガ島に舞台を移しマングローブや海草藻場、サンゴ礁まで対象にした調査を実施しました。
◇パナイ島Katunggan It Ibajay (KII)エコパークでの調査
フィリピン大学ディリマン校の研究者の方々とマングローブ生態系のモデル開発に向けた水収支や塩分分布など基礎的なデータを収集するために、パナイ島北西部のKII-Ecoparkのマングローブ林内および流入河川、河口付近にセンサーを設置し、長期間のモニタリングを開始しました。
地球化学グループと統合モデル開発・リモートセンシンググループで協力し、24時間採水を実施しました。更に生態学グループの諏訪さんと共に、マングローブ林内の堆積物のサンプリングも実施しました。
リモートセンシンググループは、マングローブ林の広域マッピングのためのドローンによる空撮と、その補正に必要なジオコントロールポイントの取得を行いました。また、空撮画像の分類や照合に用いる地形データを集めるため、景観のビデオ撮影を行いました。


KII-Ecoparkでのセンサーセットアップ作業の様子(左)24時間採水の様子(右)


生態学グループのメンバーと共に、オーガーを使った堆積物採取を実施しました。(左)
ドローン離陸の予行演習。2回前後に振動させて、最後投げると離陸します。 (右)
◇パナイ島バタン湾での調査およびBakhawan Ecoparkの視察
パナイ島北東部のバタン湾において、現地のAklan State University(ASU)の研究者の方々と一緒に、モデル開発の検討のため、海草藻場と湾周辺陸域の視察を行いました。
バタン湾流域での歴史的な土地利用変化や大規模な養殖池の現状について、貴重なお話を聞くことができました。バタン湾ではモデル開発・リモートセンシンググループ、地球化学グループ、生態学グループで連携し、多項目水質計(AAQ)を使った面的な水質(特に塩分・濁度)環境の把握や採水作業、海草藻場(ウミショウブ(Enhalus acoroides)のみの単一群落)での光環境調査や底質環境調査も実施しました。
また、カリボのBakhawan-Ecoparkマングローブ林の視察と同Ecopark管理者からの情報収集を行うことができました。


バタン湾周辺でASUの研究者の方と話をする灘岡先生(左)
皆で記念撮影!フィリピン側カウンターパートも大勢参加し調査を実施しました。(右)
◇ブスアンガ島での調査
ブスアンガ島南西部コンセプションにおいて、沿岸域の底質状態の観測及びマングローブ林の根系構造把握を目的としてSub-bottom Profilerを用いた調査を実施しました。
また、カラウィット・ケソン域にて海草藻場の視察を行いました。同時にリモセングループは、海草藻場をターゲットとしたドローン空撮、海草・海藻やその他底質の分光特性の計測を行いました。


Sub-bottom Profilerを使ってマングローブ根系調査を行っている様子(左)
カラウィット・ケソン域での海草藻場の視察の様子(右)

分光特性計測の様子(左)ブスアンガ島を遠望できる高台での集合写真(右)
16日にはフィリピン大学ディリマン校における調査後会合に参加し、各調査グループの調査概要や今後の課題を共有しました。

調査後会合で議論する灘岡先生(一番左)とFortesさん(一番右)