9月16日から10月4日にかけて、灘岡先生が日本側研究代表を務められているJST-JICA地球規模課題対応国際科学技術協力事業「フィリピン国統合的沿岸生態系保全・適応管理プロジェクト(通称CECAM)」の活動として、フィリピン国内のバナテ湾、ボリナオ、ボラカイ島等でいくつかのグループに分かれ、現地観測を行いました。
参加メンバー:灘岡・渡邉・山本・岩井・吉開
バナテ湾
2014年9月20日から25日にかけて、IloiloのBanate湾周辺で現地調査を行いました。調査には灘岡研から山本と吉開、フィリピン大学から学生2名が参加しました。
今回の調査では、光消散モデルの開発に必要なデータ取得を目的としてバナテ湾および周辺海域で多項目水質計を用いた測定や採水を行いました。
調査日前日までの降雨の影響でJalaur川河口では流域からの濁水の流出をはっきりと確認できました。
上記の測定のほかに陸域から濁水の流入を調べるためにGuimaras海峡沿いの複数の河川で採水を行いました。
また、9月18日から19日までの2日間にわたり、第2回IDSS Iloilo講習会がフィリピン大学ビサヤ校で行われました。ワークショップには第1回のIDSS Iloilo講習会に引き続き、複数の地方自治体(Local Government Unit)や関係行政機関からの参加がありました。
参加者はIDSSの機能のうちシミュレーションとGISモジュールに関する説明を受けたのち、それぞれのモジュールを実際に操作しながら使用方法を体験しました。
今回の講習会で得られた参加者からの要望をもとに、今後のIDSSの開発、改良を行う予定です。
ボリナオ
2014年9月24日から27日にかけて、Bolinaoで現地調査を行いました。
今回の調査では、Banateでの調査と同様に、光消散モデルの開発に必要なデータ取得のため、多項目水質系での測定や採水を行いました。
養殖業が盛んなエリア、海草藻場エリア、外洋、河口など様々な場所において観測を行いました。
養殖業エリアにおける観測/採水地点の一つ
ボラカイ島
2014年9月17日から26日にかけて、ボラカイ島での現地調査が行われました。
今回の調査では持続可能な観光開発を行う上で、マリンアクティビティ従事者やそのゲストがサンゴ礁生態系保全にどのような意識を持っているかに関するアンケート調査、また定期的に行っている砂浜の浸食状況を把握するための水準測量を行いました。
ホワイトビーチでの水準測量の様子
また、9月18,19日の2日間、ボラカイ島のアクションセンターでIDSSワークショップ・トレーニングを行いました。ワークショップでは、主にIDSS開発に向けたディスカッションがなされ、トレーニングではGISベースのシミュレーション並びに住民参加型の「白色板を用いた海水の透明度調査」の実演が行われました。