奄美群島 現地調査
日本の南西諸島の社会経済やサンゴ礁生態系に関して島ごとに比較考察するため,この夏はメインの石垣島ではなく,奄美群島に調査に行きました.
8/25に奄美大島へ鹿児島経由で入り9/1に徳之島へ移動,徳之島に9/1〜7まで,沖永良部島に9/7〜10まで滞在しました.
参加メンバー:竹内,中川
奄美群島は奄美大島(奄美市,龍郷町,大和村,宇検村,瀬戸内町),喜界島(喜界町),徳之島(徳之島町,天城町,伊仙町),沖永良部島(和泊町,知名町),与論島(与論町)の5島12市町村で構成される,鹿児島県の島々です.琉球王朝に支配されていた時も薩摩藩領であったときもあり,文化的にも非常に興味深い島々です.
奄美大島
大島紬やアマミノクロウザギで有名な奄美大島です.奄美琉球列島が世界自然遺産に登録間近ということもあり,現地ではその受け入れ体制の整備に忙しいようです.
奄美大島は急峻な地形が多く農業に使える土地がほとんどなく多くが森林です.海も崖になっているところや砂浜があっても沖の方まで浅いところが続くというところはあまりなく,サンゴも礁池をしっかりと形成していません.
右の写真は蒲生崎から湾の中を撮った写真です.湾が複雑に入り組んでいてこの場所からは島のようにみえます.
八月は奄美大島の各集落でお祭りが毎週開催されます!
せっかくなので最後の祭りのひらとみ祭りを見学してきました.写真は船こぎ競争です.
徳之島
徳之島は群島の中でも比較的サンゴ礁が形成されている島です.
徳之島の特徴といえば闘牛!なんと聞き取り調査をした人が闘牛の中量級のチャンピオンの所持者だということで見せていただきました.その名も勇闘星!,,,,とそこにいた可愛すぎる犬
なぜか牛農家には犬もいます.動物好きな人が多いのでしょうか.
繁殖用の牛と違い,立派な角とおでこをしています.
また違う聞き取りを行った人がテレビの撮影用に闘牛の練習をするということでこれまた見せてもらいました.
ゴツゴツと角と角がぶつかる音が聞こえてきて迫力満点です.
徳之島では肉用牛繁殖とばれいしょが盛んで,闘牛と繁殖牛の兼業農家も多いそうです.
下の写真は徳之島町の大規模農家6名で共同運営されている堆肥センターです.処理量も多く良質な堆肥を作っていますが,他の町までは手が回っていません.一方天城町の堆肥センターは人手不足で牛糞回収ができていないそうです.
行政区が島内で分かれているとそれぞれの特色にあったきめ細やかな対応ができる反面,島全体としてまとまって機能することが難しいようです.
奄美群島サンゴ礁保全対策協議会でモニタリングやオニヒトデ駆除などを実際になさっている方のご厚意でナイトサファリにつれていってもらいました.写真はアカショウビンです.
世界自然遺産登録がなされれば多くの観光客が訪れることが予想され,それらをうまく制限,コントロールしないと自然の動植物が乱され,見られなくなってしまうかもしれないとのことです.
沖永良部島
与論島と喜界島も低島ですが今回の調査で初めての奄美群島の低島である沖永良部島です.
低島なので最高標高240m,ちょっとした展望台に上ると島が一面見渡せます.
沖永良部島は多くの鍾乳洞を持っています.中でも全長3500m,観光用に整備された鍾乳洞,その名も昇龍洞は探検心をくすぐる美しくも楽しい洞窟です.
沖永良部島は礁池があるところはあまりなく,島の周囲はすぐに水深が深くなってしまうそうです.
ただそのおかげで島の宿からくじらが見える場所もあるそう.
農業はオランダ船が近海で座礁し,それを島民が助けたことから伝来し始まった花き栽培,また徳之島同様ばれいしょがとても盛んです.
最後に徳之島の闘牛場で闘牛の倒し方を実演する中川君,武井壮びっくりです.