「生命」と並んで今後の21世紀における重要な分野として位置付けている「環境」は、本質的に多面的・ 包括的な概念であるが、環境研究の多くは個別的・部分的に行われている。

これは、環境研究における大いな る自己矛盾ともいうべきものであるが、逆に言うと、環境研究における新たなブレークスルーは、このような個別的 ・部分的なアプローチの限界を如何にして乗り越えるか、ということにかかっている。 そこでの「情報」の果たす役割は大きい。というのも、環境システムの理解・記述・予測・制御のために 必要となる「センシング&モニタリング」、「モデル化」、「シミュレーション」、「計画論」のいずれもが分野統合的 ・包括的な概念であり、それぞれに情報論や情報科学の先端的な成果を活かすことができるからである。

当研究室では、このことを強く意識した上で、主として沿岸域の環境システムを対象とした研究を行っている。具体的には、

  • サンゴ礁−藻場−干潟−マングローブ生態環境系に関する研究
  • 「陸−沿岸−海洋−大気」結合型広域環境システムに関する研究
  • 波と流れ・物質輸送に関する数理モデル開発と数値シミュレーション
  • 衛星リモートセンシングによる沿岸環境モニタリング技法の開発と応用
  • 沿岸環境空間創造に関わる総合的空間認識とその定量的記述・予測

といったテーマについて研究を進めているが、以下の点を基本スタンスとしている。

  1. 環境システムを定量的に把握・記述・予測するために、対象をできるだけ多面的かつ包括的な枠組みでとらえる。 その際特に、対象とする生態環境システムへのさまざまな人間影響の実態を定量的に明らかにすることにより、 人間共存系としてのあり方を模索する。
  2. 現地における実測・モニタリング(衛星リモートセンシングを含む)を、そのための手法開発も含めて、特に重要視する。
  3. その成果を反映させる形で、物理・生態環境プロセスを記述・予測するための最先端の数値シミュレーションモデルの開発を目指す。
  4. 分野横断・統合型の環境研究を推進するため、様々な研究機関・グループとのcollaboration(海外共同研究を含む)を積極的に押し進める。