赤土流入

琉球列島の島々は、隆起したサンゴ礁の上に「赤土」と呼ばれる土壌が分布しています。1970年代に入り、多くの島々では沖縄進行開発事業のため、ダムや道路建設、港湾や空港、農地の整備などの土地改良事業がおこなわれました。その結果、赤土が裸地となり、降雨の後に赤土が流出し河川からサンゴ礁に流れ込む、「赤土流出」がおこるようになりました。

 サンゴ礁にすむサンゴは、澄んだきれいな海に生息します。赤土が流出すると、サンゴが窒息死したり、濁りのため光量が低下し、共生している褐虫藻が光合成できなくなったりして死んでしまいます。赤土流出によって、多くのサンゴ礁が被害を受けています。

 特に、台風などの大雨の後は大量の赤土が流出します。また、赤土は海底にも堆積するため、降雨の後だけではなく、波が高くなったときに巻き上げなどでも被害があります。私たちの研究室では、赤土問題に対し、石垣島にある轟川を対象に調査しています。

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赤土が海へ流出している様子(吉嶺(1991)より )石垣島轟川の調査 濁度計を設置している様子2001年4月