財団法人 鉄鋼業環境保全技術開発基金助成金 †
H7-8年度、3、500千円 (代表 灘岡)
「変動環境外力場のもとでの温排水の長期拡散混合機構の解明と予測」
概要:
閉鎖性水域の典型としての東京湾と開放性水域の典型としての鹿島灘を対象とした現地実測を行った。 東京湾の観測では、千葉沖の観測タワーでの通年連続計測を平成8年4月から実施しており、また同年4月中旬から約1ヶ月間千葉幕張沖の浚渫窪地での連続計測を行った。さらに、平成8年7月から8月にかけての約1。5ヶ月間、千葉県稲毛海岸の極浅海域を対象とした連続観測を実施した。これらの東京湾での現地実測における測定項目は、水温、塩分、DO、クロロフィルaなどである。これらの一連の長期連続観測により、これらの物理量が、風等の作用により短期間に急激に変化することなど、きわめて興味深い現象の存在を明らかにすることができた。鹿島灘における観測では、平成8年の7月から8月にかけての約1ヶ月間、多数の水温センサーを中心として構成した係留系を平面的に数地点設置し、このような開放性海岸において、夏季の温度躍層の発達時にきわめて特徴的な内部波が存在することを、その具体的な挙動とともに明らかにすることに成功した。