若手研究(B)

H14-15年度,計3,300千円 (代表者:波利井佐紀)

「造礁サンゴ幼生の供給源―加入先に関する生態学的・遺伝学的研究」

概要:
サンゴ礁の保全・回復には,サンゴ幼生の供給源−供給先の関係に基づき,供給源となる海域を重点的に保全する等の施策をとることが必要であるが,そのためには浮遊幼生の動態を明らかにすることが重要となる.本研究では,室内実験により幼生の行動や定着可能期間,その要因について明らかにするとともに,一部の種類について親サンゴの遺伝子解析を行った.その結果,定着可能期間は種類によって異なり,こうした違いには幼生のエネルギー源となる脂質含有量が関与していることが示された.すなわち,定着期間の長い種類では脂質含有量がより多く,1ヶ月以上もの長期分散が可能となることが示唆された.さらに,異なる海域から得られた親サンゴ固体の遺伝子解析(CADによる多バンド検出)を試み,基礎となるデータを得た.