造礁サンゴの幼生は、海中を漂った後、様々な物理環境の中で海底に定着します。ここでは、サンゴ幼生の定着時における 、「赤土の影響」「流れの影響」を、室内実験で明らかにし ようとしています。

赤土とサンゴ幼生定着

近年、赤土流出によりサンゴ礁が破壊されてきています。サンゴ幼生が定着する際にも、赤土粒子や赤土堆積物の影響が考えられます。ここでは、室内実験によって、赤土粒子や赤土堆積物のサンゴ幼生の定着への負荷レベルを検討しています。

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図1 赤土懸濁物質下でのサンゴ幼生2種の定着率の変化図2 赤土堆積物質上を定着場所を探しているサンゴ幼生
赤土懸濁物質が多いほど、幼生は定着することができません。太い矢印で示したように、幼生の進んだ後には粘液状物質が赤土と絡んでできた糸状の跡がみられました。 どうやら、幼生は赤土によってストレスを感じているようです。

波利井佐紀・灘岡和夫(2003)
環境ストレスとしての赤土懸濁・堆積がサンゴ幼生定着に及ぼす影響.海岸工学論文集第50巻.1041-1045

流れ(振動流)とサンゴ幼生定着

サンゴ礁では 場所や潮汐の違いによって様々な流れがありますが、これまでに、サンゴ幼生の定着との関係はわかっていません 。ここでは、波による往復流に着目し、サンゴ幼生がどのような波動流速レベルで定着するのか、種類によって異 なるかを「振動流装置」を用いて室内実験を行い、検討しています。

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図1 加振用空気室付U字管振動流装置図2 振動流を起こす実験装置
サンゴ幼生と定着基盤を装置に入れ、波を起こして定着率を調べています。空気室を設けて装置に空気を送り込み、振動流(正弦波)をおこす。現在のところ、最大流速レベル5〜20cm/s で実験をしています。

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