オニヒトデ Acanthaster planci (crown-of-thorns starfish)

サンゴ礁の破壊の1つとして、オニヒトデによる食害があげられます。オニヒトデは、造礁サンゴ類を粘液で溶かして食べて生活しています.

 1960年代初頭から世界各地のサンゴ礁域でオニヒトデが大量発生し、サンゴを食い荒らすという現象が大きな問題になっています。大量発生したオニヒトデが通り過ぎたあとは、その海域のサンゴがほとんど食べ尽くされてしまうこともあります。しかし、通常オニヒトデ自身むしろまれな種ともいわれ、なぜ近年になってその大量発生が目立つようになったのか、原因は未だにはっきりとはわかっていません.

これまでに考えられてきた仮説によれば、

(1) 自然発生説−オニヒトデは何年かに1度自然に大量発生する

(2) 陸上からの栄養塩流出説−人為的な環境ストレス等が大量発生を引き起こす

(3) 幼生加入説−オニヒトデは、生殖時期になると海中にたくさんの卵を放出して受精させ、幼生を作ります。この浮遊幼生(参考:用語解説)がサンゴ礁に大量に定着し、それが大きくなり大量発生となる

などがありますがどれも確実な証拠はつかめていません.

 琉球列島でも、1969年よりオニヒトデが大発生し、1970年代には全域に広がってサンゴを食べ尽くされてしまいました.最近でも、オニヒトデが沖縄本島や琉球列島で通常よりも多く発見されるようになり、大発生が危惧されています.

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写真1 オニヒトデ (直径15cm程度)
photo: Aka Island 2002, S Harii

用語解説 − オニヒトデの生活史 オニヒトデは、生殖時期なると産卵して小さな卵を海中へと放出します。他のヒトデに比べてたくさんの卵を産むことが知られています。体外受精によって受精卵になった卵は、受精後2日目には「ビピンナリア」と呼ばれる幼生になり、海中を漂い旅をします。ビピンナリアでいる期間は2週間から6,7週間あると推測されており、うまくいけば太平洋も横断可能だといわれています。その後、ブラキオラリアと呼ばれる幼生に変態し、海底へと向かい定着し、稚ヒトデとなります。